分子シミュレーション学会
The Molecular Simulation Society of Japan
分子シミュレーション学会は、 コンピュータシミュレーションの手法により分子集合体の 物理・化学的性質を求めるための諸問題を研究する 約300名の会員により構成されています。 会員は大学・研究所・企業の研究者、大学院生・学生が主です。 本学会の主な活動には学術討論会、講習会、産学連携フォーラムがあります。 また、学会ニュースレターが季刊に発行され、会員同士の情報交換に用いられています。 その他、会員の所属する研究室の大学院生らによって夏の学校が行われています。
固体や気体と比較して理論的な取り扱いが困難な液体や溶液の研究にモンテカルロ法や分子動力学法が用いられるようになり、60年を超える時間が経過しています。 今では、これらを一纏めにした分子シミュレーションが、化学や物理、また生物や材料において重要な役割を果たしていることは周知の事実となっています。 計算機シミュレーションは通常の実験と相補的関係にあるのみならず、最近では実験を先導するような機会も徐々に増加しています。 計算機の更なる並列化・高速化に伴い、取り扱える分子規模と統計的正確さの増大からも、計算機シミュレーションの信頼性は増し、 多くの実験家からも必要不可欠の研究手段であると認識されているのが現状であると考えられます。
計算機シミュレーションを研究手段とする幾つかのグループが主体となって、1987年以降討論会が毎年開催されるようになったことが契機となり、それを組織化した分子シミュレーション研究会が1997年に発足しました。 以後、分子シミュレーション討論会、分子シミュレーション夏の学校、分子シミュレーションスクール、会誌「アンサンブル」の発行など、 分子シミュレーションに関わる研究者コミュニティの交流の場として、豊富な活動を続けてきているところです。 創設20年を期に組織改革の機運が高まり、昨今の活発な活動や内外に果たす役割の重要性に鑑みて、2019年から「分子シミュレーション学会」として新たなスタートを切ることとなりました。 ただ、今回の変更は名称のみとし、「学会」としての実質的な組織とその規約等に関してはこれまでの「研究会」を継承のうえ、活動内容の更なる展開を図ることを、総会でも確認したところです。
分子シミュレーション学会の活動のほとんどは、分野の若い方々の献身的な奉仕活動をもとに成り立っており、 着実かつ若さと活力にあふれたものであることは言うまでもありません。 このような学会活動が皆様のお役に立つことはもちろんのこと、 特にこれから研究者を目指す学生諸君の励みにもなるように強く願っております。
このホームページも学会活動の内容を広く皆さんにお伝えし、 様々な情報を迅速に提供させていただくためのものでありますが、 同時に分野の皆さんの交流の場として十分に機能できるよう期待しております。 ここにおいて、学会活動が当該分野の発展に大きく貢献できるように、 あらためて皆様方の力強いご支援を心よりお願い申し上げます。
分子シミュレーション学会(前)会長 田中 秀樹(岡山大学 異分野基礎科学研究所)
〒560-8531
大阪府豊中市待兼山町1-3
大阪大学大学院 基礎工学研究科
物質創成専攻 化学工学領域
松林研究室内
TEL 06-6850-6562